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2005.11.9(水) ラジオ関西 深夜1:30~2:00
【11.10(木) AM 1:30~2:00】
『シネコミ倶楽部』
第80回放送が始まります!
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『大停電の夜に』

 「クリスマス」11月初めからその言葉が囁かれ始め、中旬には”イルミネーション”や”サンタ”や”ツリー”が街を占拠し始める。毎年聞いても何故か飽きないクリスマスソングと、キラキラと輝き、チカチカと点滅するその温かい光りは、目的が無くても、恋人がいなくても、どこか気分を浮き立たせワクワクさせる力がある。子供たちがサンタを待っているように、一年に一度しか訪れない「聖なる夜」に大人たちも何かちょっとした“奇跡”を期待しているのだ。

 クリスマスイブの夜がこれから始まろうとしていたその時。東京全土の明かりが消えた。

 物語の主役は12人。かつての恋人を待つジャズバーのマスター(豊川悦司)みんなの幸せを願うキャンドルショップの店主(田畑智子)ある迷いを持ちながら夫の帰りを待つ主婦(原田知世)妻と愛人で揺れる会社員(田口トモロヲ)不倫に苦しむOL(井川遥)天体マニアの少年(本郷奏多)病気で希望を失った人気モデル(香椎由宇)中国から研修に来ているホテルのボーイ(阿部力)出所帰りの元ヤクザ(吉川晃司)臨月の妊婦(寺島しのぶ)長年寄り添ってきた老夫婦(宇津井健・淡島千景)
 
 境遇は違えど、それぞれが悩みと想いを胸に秘めている。そして、みんなクリスマスの奇跡を願っていた。「いつもより少しだけ素直に」「今の状況から一歩だけ前に」。そんなささやかな願いを叶えるため、そっと背中を押すように大人たちに訪れたプレゼント。それが”大停電の夜”だった。

 真っ暗になって見えるもの。それは満天の星空だけじゃないようだ。煌々と明るい電気の下よりも、ぼんやりと光るオレンジ色の炎の方が人の持つ純粋さをより一層引き出す。冬の寒さのように張り詰めた12人の想いが、キャンドルの灯火によってゆっくりとじんわりと溶かされてゆく様は美しくも温かい。誰しもがその余韻を味わいながら、“停電後”気持ち晴れやかに笑顔で劇場を後にできるだろう。

 監督は大ヒットを記録した「東京タワー」の源孝志。前作は主演2人のあまりの美しさに非日常的な空想のようであったが、本作にはもっと人間らしさが加わり、”楽しい””せつない”といった感情移入がしやすくなった。しかし、前作に共通する“光”のやわらかさだけは変わっていない。画面がとても優しいのだ。ふんわり、しんなり・・。食べ物に例えるとミルクのたくさん入ったクラムチャウダー。それより、もう少し洗練されたイメージでちょっと夢に近い、そんな優しい映像だ。

  『大停電の夜に』は11月19日から全国一斉ロードショー☆     

       ライター・中西 奈津子

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Tracked on December 04, 2005 at 06:17 PM

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